どうも、法人1期目のハシケン(@conteanime)です。
当サイトの記事は2019年内まで個人事業主として活動していた時期に書いていたものも多くあるので、著者の肩書き等の違いについてはあらかじめご了承下さい。
独立して自らの事業をやりたい時、何よりまず必要なのは資金でしょう。

資金を得るためのセオリーが日本政策金金融公庫へ創業融資を依頼することであり、その審査に必要なのがいわゆる「事業計画書」というものになります。

事業計画書とは?

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事業計画とは、事業概要・経営方針・事業内容・経営環境・事業展開戦略・財務計画等を3〜5年間(上場までが一般的)策定したもの(目標数値)。 事業計画書とはそれらを記した資料。
※コトバンクより引用
事業計画書とは、事業の土台となる理念や方針・計画をまとめて他者にも理解できるように資料化したものです。
開業の準備期間はアイデアや経営イメージが頭の中に大量にあふれ、逆にいい悪いの区別もつきにくくなりがちです。
そこで「事業計画書」をつくりアイデアや見通しをしっかりまとめることで事業のヴィジョンが明確になり、具体性を持って前に進めるようになります。
▼事業計画書の役割
・アイデアの整理・問題点や課題を事前に洗い出しできる
・融資などの資金調達の申込時に、事業内容を説明するために提示する
・事業内容を第三者への説明したり、客観的に把握できるようになる

本気で独立開業するつもりなら、まず実際に計画書を作ってみよう
現時点で融資を考えてないなら必須ではありませんが、独立前に一度事業計画書をつくってみて実際の事業イメージに具体性をもたせることはたいへん有効です。
▼あなたのために事業計画書をつくるメリット
・事業を成功させるための羅針盤、迷った時の指針になる
・ビジネスプランを客観的に把握できる
・売上目標・売上予測を立てられる
・達成率をチェックできる (予実管理)
・いつでも最初のアイデアに立ち返って見直せる

事業計画書の作成ポイント

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事業計画書はあくまで一資料なので、決まった形式やテンプレートはありません。
つくる目的・見る相手に合わせて、説得力のあるまとまった内容にしていきましょう。

▼事業計画書の主な記載項目
・事業概要……事業開始の動機。沿革・事業主の経歴。資本金の推移。資本政策。従業員の状況など
・経営方針・経営環境……経営方針。経営理念。ビジョン
・財務計画……資金調達方法。資金繰り計画。設備投資計画。損益計算書。貸借対照表。
・事業内容……商品・サービス内容。基本戦略。業界・市場動向。顧客層。競合性。販売先・販売方法。仕入先・外注先・仕入れ方法。
・事業展開戦略……展開方針。販売戦略・マーケティング。開発戦略。人員人材戦略。資金調達戦略。リスク対応策
▼事業計画書作成時のポイント
・売上・費用・利益計画の根拠が明確になっているか?
・消費者ニーズを理解し、優位性をアピールできているか?
・事業としての仕組み作りがきちんとなされているか?
・アイデアの良さに留まらず、「モノを売る」ことを考えられているか?
・人に理解していただく姿勢でまとめられているか?
・成功したいという熱意が出せているか?
事業計画書の定性面と定量面
事業計画書をわかりやすくまとめるには定性面・定量面を分けて考え、両面からしっかりと内容を押さえていく必要があります。
「定性面」:数値化できないもの……創業の動機や経営者の略歴。取り扱う商品やサービスといった情報。取引先・取引関係等など
「定量面」:数値化できるもの……設備資金と運転資金。自己資金と資金調達。事業計画。成長戦略など
定性面では、セールスポイントや熱意・取り巻く状況や環境などをしっかりと文字化して曖昧な部分を極力なくします。
事業に活かせる点は積極的に記載してアピールをし、説明は誰もにわかりやすく伝わるようにしましょう。
一方の定量面では、より具体的な数字が求められます。
おおよその目安であっても数字を細かく具体化すると、記載内容の根拠が明確になって事業への信用度も増します。その後の予実管理の指針にもなるでしょう。

そうすることで実際に可能なのか? 進めて本当に利益は出るのか? などの要素がしっかり見えてきます!
独立開業融資の超定番、日本政策金融公庫とは何か?

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ここまで何度も出てきた「日本政策金融公庫」とは・・・
・株式会社日本政策金融公庫法に基づいて設立された財務省所管の特殊会社
・100%政府出資の政策金融機関(政府系金融機関)の一つ
・業務の一つに、個人事業主や小規模義業者への小口融資、創業企業・事業再生などの支援を行う「国民生活事業」がある
というものになります。
独立した個人事業主にとって、資金調達の強い味方として定番の存在です。
・事業資金の融資先数は87万先以上で、小口の無担保融資が主体
・融資先は小規模事業者が中心であり、約半数は個人企業
・全国152支店において様々な業種の人に利用されている
財務基盤や担保力の弱い小規模事業者や、営業実績がない創業企業などの支援を目的としています。

日本政策金融公庫での借入の特長
▼メリット
・個人事業主の方でも借りやすい。審査の可決率が高い
・融資の相談がしやすく、事業のアドバイスもしてくれる
・他の金融機関より金利が安い
・担保・保証人が不要の制度がある
・5年以上借りられる
・公庫から融資を受けると信用評価が増す (=他の金融機関からも融資を受けやすくなる)
▼デメリット
・申込に必要な書類が多い
・創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要
・申込から融資まで1か月強かかる
・民間金融機関の融資からの借り換えは禁止されている
創業計画書に必要な項目、記入ポイント

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日本政策金融公庫の融資には、「借入申込書」とあわせて「創業計画書」が必須です。
「創業計画書」とは、公庫に提出する事業計画書の定型書類です。
創業計画書には、主に以下の項目を記入します。
1、創業動機……創業の目的、動機、企業概要
2、経営者の略歴……過去の事業経験、取得資格、知的財産権など
3、取り扱い商品・サービス……商品内容、事業内容、セールスポイント、販売戦略、市場などの状況・事業の優位性など
4、取引先・取引関係先……販売先、仕入先、外注先、人件費の支払いなど
5、従業員……継続雇用者数、パート数など
6、お借入れの状況……借入先とその使い道、残高と年間返済額
7、必要な資金と調達方法……設備資金・運転資金の調達方法と金額。資金計画
8、事業の見通し……売上・経費・利益等の業績予想、ビジネスモデル
9、自由記述……アピールポイント、欲しいアドバイス
※追加参考資料……他資料は必要に応じてあわせて提出(月別収支計画書・企業概要書・設備投資計画書・資金繰り表・受注工事明細表など)
★書類のダウンロード・記入例サンプルは、日本政策金融公庫の公式ホームページで取得できます。

日本政策金融公庫の融資、申込から審査が通るまで

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日本政策金融公庫で個人事業主の融資を担当するのは「国民生活事業」です。まずは相談窓口に行ってあなたの希望を提示し、適切なプランのアドバイスを受けましょう。
▼個人事業主が利用できる主な融資制度
・新規開業資金
・女性、若者/シニア起業家支援資金
・新創業融資制度
・中小企業経営力強化資金
主な必要書類

▼新たに事業を始める場合
1、創業計画書
2、借入申込書
3、通帳のコピー
4、(借入金のある時は)支払明細書 (現在の借入残高・月々の支払額がわかるもの)
5、不動産の賃貸借契約書 (店舗・事務所、自宅分)
6、営業許可書、資格・免許を証明するもの
7、見積書、工事請負契約書 (設備投資する方のみ)
8、身分証明書 (運転免許証コピー可)
9、関連企業の確定申告書及び決算書 (別会社を経営されている方のみ)
10、印鑑証明書
11、自宅分の水道光熱費の支払い状況がわかるもの
12、個人の源泉徴収票又は確定申告書2年分
※ 知事の推薦書 (飲食や美容などの生活衛生関係の事業、500万円超の融資)
▼開業して1年以上経過している場合
1、企業概要書・事業計画書
2~10は、同上
11、売上の根拠資料 (請求書・通帳など)
12、直近の確定申告書 (2年分)。青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書)など
13、所得税・住民税・消費税の納付領収書
融資実行の手順
融資までの手順は、一例として次のような流れになります。

融資を受けたら当然ながら返す必要もあります、やみくもに借りることはあなたの首を絞める恐れもあるので注意しましょう!
まとめ

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独立後のシミュレーションという観点でも、あなたの考えているビジネスプランをまず事業計画書という形に落とし込んでみるのは非常に有益です。
絵にかいた餅が本当に実現可能なのかどうか、早い段階で見極めてリスクを回避することにもつながります。誰かに相談したい時もあらかじめきっちりまとめていることでフィードバックをもらいやすくなるでしょう。

・・・当然そのように後で変わっていくこともありますが、まずは形にしてみることが独立開業における重要で大きな一歩ですよ!