どうも、法人2期目のハシケン(@conteanime)です。
当サイト記事は2019年内まで個人事業主として活動していた時期に書いていたものも多いで、運営者の肩書き等の違いについてはあらかじめご了承下さい。
個人事業主やフリーランスとしての一歩を踏み出そうと思うと、多くの人が銀行口座をどうすればいいか悩むものです。
- 今使ってる個人通帳じゃダメなの?
- 取るならどこの銀行がいいの?
- クラウド会計ソフトって使うべき?
- 屋号付きの口座って?
- クレジットカードってあらたに必要?

結論からいえば会社を独立したらプライベートと分けたビジネス専用の口座を必ず用意してください、もし「屋号」があるならあわせて「屋号付き口座」の検討をおすすめします。
メガバンクの知名度にどうしてもこだわる必要がないなら、現在はネットバンクのPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)あたりが他行と比べてお得な部分も多く使いやすいでしょう。
今回は独立した個人事業主やフリーランスがビジネス専用通帳を持つことのメリット・デメリットからおすすめ口座の開設手順、さらにあわせておさえておきたいクレジットカードの情報までを独立開業後の実体験も交えながら詳しく解説します。
ビジネス専用口座を開設すると、本業の前進だけに専念できるようになる!
「ビジネス用のお金の流れをまとめる」という要素が、個人事業をしていくうえできわめて重要な要素です。
プライベート用とビジネス用の口座をわけて持つことで、事業で発生した売り上げや経費などの流れを1つにまとめて管理できるようになります。
- お金の管理が簡単になる
- 財務状況をつかみやすくなる
- 税務調査に対処しやすくなる
- 確定申告時の処理が楽になる
お金の出入りが明確になれば管理にかかる手間はへり、あなたの本来やるべき業務にあてられる時間を増やしていくことにつながります。
独立したてでまだなにもない個人にとって事業について考え行動するための「時間」は数少ない大切な資産のひとつです、「時間」を最大限確保するためにもビジネス専用口座は早めに取得しておくべきでしょう。

独立してビジネスをするときは「屋号付き銀行口座」の開設も検討しよう
税務署に開業届を出せば正式な「屋号」が持てます。どんな事業をしているか伝わりやすくしたり、ブランディングの意味でも屋号の存在は大きな意味を持ちます。

「屋号付き銀行口座」にしかない、使い勝手の良さ
法人ではない個人事業主やフリーランスも自分名義以外に一部の銀行で屋号+本名という名義の通帳を作れます、それが屋号付き銀行口座(=営業性個人口座とも呼びます)です。
税務署に登録した屋号でのみ作れます、届けのない単なるサイト名などでは作れません
事業を考えたり実際に進めていくなかで、ネット上や実店舗でサイトや店名のついた振込口座を記載したい状況も発生するでしょう。
屋号付き口座を作っておけば『屋号○○○○』か『屋号○○○○+氏名△△ △△』のどちらの振込先でも取引できるように、あなた自身でいつでも自由に設定できます。
例えば屋号が『独立開業コンパス』で名前が『ハシケン』とします。webサイト上に銀行口座を書く必要があったら・・・↓
三友FJ銀行 日本支店 普通 1234567 ドクリツカイギョウコンパス
三友FJ銀行 日本支店 普通 1234567 ドクリツカイギョウコンパス ハシケン
・・・このどちらでお客さんに振り込んでもらっても大丈夫ということになります、もちろん前者なら本名を出す必要もありません。
「屋号付き銀行口座」のメリット・デメリット
主なメリットとしては以下の3つがあげられます。
- 本名を伏せて振込先を記載できる
- 屋号で事業内容が明確に伝わる
- 印象として信頼性が増す
本名口座でももちろん振り込んでもらえるでしょうが、振り込む側も屋号あてのほうが個人名より信用度合いが上がる側面があるため購入機会の増加につながる効果がえられます。
逆にデメリットは振込時に屋号が必ず含まれていないとダメだという点で、名前のみでは振り込んでもらえません。ただそれ以外は使い方自体も普通口座と特に変わらず、開設も無料でネットバンキングにも対応しています。
「通常口座」と「屋号付き銀行口座」の大きな違い
通常口座の取得における特徴
- 比較的どこの支店でも取得できる
- 窓口以外でもネットや郵送など、多種多様な開設方法がある
- 初めて来店したその日に口座が開設できる
屋号付き銀行口座の取得における特徴
- 自宅や仕事場から一番近い支店の口座でしか開設できない(ジャパンネット銀行などネットバンク系は除く)
- 窓口でしか開設できない(同上)
- その場で開設できず、10日前後かかる場合もある
- 開業届が必要
屋号付き銀行口座を開設するならおすすめはどこだ?比較とポイントで要点チェック
屋号入り口座はメガバンクとネットバンクの一部で作れますが、実は必要書類や条件がかなり異なっています。

また通常口座のように屋号付き銀行口座も複数所持できるので、まず1つ持ったあと必要に応じて増やしていくこともできます。
一般的な屋号付銀行口座開設時の必要事項は以下のとおりです。
- 窓口で受付を行う必要がある
- 自宅や事務所から一番近い支店でないと開設できない
- 開設までに10日前後かかる場合がある
- 開業届の提出が必須(原本の場合も)
さらに、多くの銀行で必要とされる書類等が以下の4点になります。
- 本人を確認できる書類、身分証など
- 印鑑(個人名のもので問題ありません)
- 個人事業の開業・廃業等届出書の写し
- 屋号の使用が確認できる書類など
屋号を確認できる書類としては、既にあなたがビジネスを開始しているならWebサイトのページを印刷して提出すれば大丈夫なところも多いです
ちなみに、屋号付銀行口座の取得要件は各支店の裁量にも左右される部分があると言われます。


※当サイトで調べた上での独自見解です
ネットバンクのPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)で屋号付き銀行口座を開設したい!
多くの銀行ではまず最初に個人口座を申し込んだ上で個人事業主口座を申し込む2段階形式が主流ですが、「PayPay銀行」なら余計な段取りなど一切なしで個人事業主口座を申し込めます。
与信審査はなく決算書の提出もいりません、開業から6ヶ月経過していてホームページなどで事業が確認できるなら開業届の提出すら不要です。個人事業主は5~7日、法人でも7~10日程度で口座を開設できるスピード感も助かるでしょう。
フォーム入力も他銀行よりラクですが取得難易度が低いわけではないので、申込み時は提出資料を丁寧に確認しながら進めてください。
さらにビジネス口座を新設すると無料でデビット付キャッシュカードがもらえます、VISAの使える国内外店舗なら口座引き落とし感覚で使えるので事業のさまざまな場面のお金管理がカンタンになるでしょう。
振込手数料も他銀行より割安です
ネットバンクの楽天銀行で屋号付き銀行口座を開設したい!
こちらは上のジャパンネットと比べるとちょっと手間になりますが、2段階の申込みが必要です。
まず個人口座の開設をして、その後個人ビジネス口座開設のために必要な書類を取り寄せます。そのうえでさらに開業届のコピーを郵送することにより開設が完了します。
デビットカードなど目立った付加価値もなく先の口座より手間もかかるので、楽天というネームバリューに惹かれる場合以外はそこまで無理して取得を目指すことはないかもしれません。
三井住友で屋号付き銀行口座を開設したい!
営業性個人という区分で開設可能ですが、開業届は控えではなく原本を持っていく必要があります。

ただ支店によっても相当差があるらしいので実際に行く前に必ず調べてください!
サイトに掲載がみあたらないので、銀行に直接お尋ねください。
ゆうちょで屋号付き銀行口座を開設したい!
今回紹介する中で唯一屋号のみの口座(本名なし)が作れますが、サークルや同好会などの会費徴収名目となるので会員規約や名簿などが必要となります。
はっきり言って個人事業主が取得するためのもの、という感じでもないでしょう。
サイトに掲載がみあたらないので、銀行に直接お尋ねください。
みずほで屋号付き銀行口座を開設したい!
直接ヒアリングを行い後日書類を提出しますが、営業性個人口座はあくまで個人という扱いなので個人口座を既に所有している場合は難しいといわれます。
必要性がなければ、無理して取得しようとする必要はないでしょう。
三菱UFJで屋号付き銀行口座を開設したい!
メガバンクの中で最も必要書類が多いと言われているので挑戦するなら準備万端で臨みましょう、かなりハードルの高い銀行と言えます。
繰り返しになりますが、屋号付口座はムリに銀行のブランドにこだわる必要はあまりありません。
りそなで屋号付き銀行口座を開設したい!
事業用口座はりそなビジネスダイレクト口座という扱いで月額¥2,100の経費が発生します、基本無料の他銀行と比べてちょっとつらい条件かもしれません。
必要性がなければ、無理して取得しようとする必要はないでしょう。
サイトに掲載がみあたらないので、銀行に直接お尋ねください。
番外編①:住信SBIネット銀行で屋号付き銀行口座を開設したい?
会員ランク次第でATMの利用手数料や振込手数料などメリットの多いネットバンクとしても有名ですが、そもそも営業性個人口座の開設自体ができません。
個人か法人口座のみとなっています。

番外編②:セブン銀行で屋号付き銀行口座を開設したい?
全国のセブンイレブンにATMがあり7~19時まで引出手数料も無料と使い勝手がよく躍進中のセブン銀行ですが、残念ながら現状は屋号付き口座などは特にありません。
個人事業主やフリーランスになってからのお金管理の進め方イメージ
今回紹介してきたように独立後はビジネス専用の銀行口座を持ち、売り上げや経費・取引の出入金・仕事の公共料金などの事業のお金の流れをすべてひとつに集約しておくとお金管理はきわめて楽になります。
でないと管理が面倒くさくなるうえに確定申告にも手間がかかり時間の大きなロスへとつながるので、ビジネスとプライベートのお金の出入りは最初から最後まで完全にわけておきましょう。
お金管理の流れのステップ①
独立したらまず上で紹介したようなビジネス用口座を作った上で「freee」や「MFクラウド」
に代表されるクラウド会計ソフトを無料(もしくは安め)のプランで登録し、自分自信で毎月の領収書や売り上げを入力していくことからはじめましょう。
・・・次第に入力数が多くなって、内訳もどう処理していいかわからない部分もきっと増えてくるはずです。

お金管理の流れのステップ②
お金で悩む手間をしっかり削減したいと強く感じるようになったら、次に税理士への依頼を考えましょう。案外、リーズナブルな金額でうけてくれます(ひと月1万円前後が相場です)。

お金管理の流れのステップ③
さらにクレジットカードも使用していくなら、口座とひもづけたビジネス専用カードを一枚用意しましょう。口座と同じくプライベートとビジネスでわけて持ったほうが便利です。
意外と知られてませんが、事業の経費支払いを個人のクレジットカードでするのは禁止されています。手持ちの個人カードをそのまま使ってると最悪停止もありえるので、避けたほうが無難です。
★カードについて詳しく知りたいときは、個人事業者やフリーランス専用クレジットカードは早めに作るべき?を参照してください。
まとめ
プライベートと事業のお金をハッキリ区別することから、独立開業は始まるといえます。
ビジネス専用の銀行口座やカードを取得し会計ソフトと紐付ければ、手間をへらしてお金周りのあなたの負担を一気に軽くできます。
